内科医が診る関節リウマチ State of Art
トピックス TNF阻害薬と悪性腫瘍
中島 亜矢子
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ・痛風センター
キーワード:
関節リウマチ
,
腫瘍
,
肺腫瘍
,
白血病
,
発生率
,
リンパ腫-非Hodgkin
,
Etanercept
,
Infliximab
Keyword:
Etanercept
,
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Lymphoma, Non-Hodgkin
,
Leukemia
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasms
,
Incidence
pp.729-732
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009143435
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関節リウマチ(RA)では、悪性腫瘍全体の発症頻度は一般全体と大差はないが、悪性リンパ腫、肺癌の発症頻度は高く、大腸癌の発症頻度は低い。RAでは、疾患活動性が高いほど悪性リンパ腫の発症リスクが高い。TNF阻害薬によりRAの疾患活動性が抑制されれば、悪性腫瘍や悪性リンパ腫の罹患が減少する可能性がある。一方、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)使用の減少により、大腸癌の発症頻度が増加する懸念もある。悪性腫瘍再発に対するTNF阻害薬の影響は不明であるが、米国リウマチ学会は5年以内の血液リンパ系腫瘍の診断・治療を受けた場合は避けることが望ましい、と勧告している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009