連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・4
結節性紅斑とTNF阻害薬は偶然か?
岡田 正人
1
,
仁多 寅彦
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児)
2聖路加国際病院呼吸器内科
pp.1312-1315
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104549
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後期研修医 今回は複雑な症例なので,経過をまず提示させていただきます.患者さんは60歳の女性で,2年2カ月前から手指の関節炎を自覚し,2年前に近医整形外科からアレルギー膠原病科外来に紹介されています.典型的な分布の対称性多関節炎がPIP(proximal interphalangeal joint;近位指節間関節),MCP(metacarpophalangeal joint;中手指節関節),MTP(metatarsophalangeal joint;中足指節関節)に認められ,リウマトイド因子陽性,抗CCP抗体強陽性などもあり,関節リウマチの診断にて治療を開始されました.サラゾスルファピリジン,メトトレキサートに加えて1年6カ月前からTNF阻害薬を開始され関節リウマチは寛解状態でした.1年3カ月前に結節性紅斑(図1)を発症し皮膚科に入院なさいましたが,安静のみで軽快し10日間で退院しておられます.結核などの感染症は否定的で,薬物も特に新規に開始したものはありませんでした.
呼吸器内科医 TNF阻害薬投与中の患者さんですので,慎重に結核を除外する必要がありますが,どのような検査がされていますか.
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