特集 非がん疾患に対する緩和ケア
エンドオブライフ・ケアにおける話題
認知症を有する人への人工的水分・栄養補給法の考え方
会田 薫子
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1東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座
キーワード:
「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」
,
人生
,
意思決定支援
,
共同意思決定(SDM)
,
尊厳
Keyword:
「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」
,
人生
,
意思決定支援
,
共同意思決定(SDM)
,
尊厳
pp.275-279
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_275
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Summary
▪認知症を有する人への人工的水分・栄養補給法(AHN)の考え方の基本は,医学的に適切な判断を踏まえ,臨床倫理的に適切に判断することである.それは,医学的な適応の判断を本人の人生の視点から捉え直しつつ意思決定を支援するということであり,本人の価値観・人生観・死生観に照らして本人の意思を尊重することといえる.
▪日本老年医学会「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」は,本人にとっての最善を巡って,本人を中心に家族や医療・ケアチームがともに検討し,関係者皆で共同意思決定(SDM)のプロセスを進めることを推奨している.
▪医療・ケア行為によって本人の尊厳を損なうことのないよう,本人の人生にとっての益と害という観点で評価することが求められる.
▪関係者間のよりよいコミュニケーションが大切である.
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