透析の非導入と中止

Summary

▪高齢・多死社会のなか，慢性腎不全が進行してきても透析に導入しない，もしくは，何らかの要因により，継続してきた透析治療を終了するという選択をする患者も増えてくる可能性がある．

▪2020年の日本透析医学会の「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」において，「意思決定能力を有する患者から透析見合わせの申し出」があった場合についても，これを受け入れる状況についての解説が加えられた．

▪「透析非導入・透析中止」を考える際の臨床倫理的配慮について，共同意思決定（shared decision making）のプロセスを順守したアドバンス・ケア・プランニング（ACP）が望まれる．

▪透析患者の在宅看取りを依頼する場合，その患者の詳細な情報提供が必須である．