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付帯研究36
患者の症状および行われた医療行為・説明に対する遺族の認識の正確さに関する研究
伊藤 里美*1,浜野 淳*2
*1東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野,*2筑波大学医学医療系緩和支持治療科
はじめに
適切な緩和ケア提供体制の整備を進めるため,緩和ケアの質の評価を継続的に行っていくことは重要である.ケアの評価は実際の受け手である患者による直接評価がもっとも信頼できると考えらえる.しかし緩和ケアの場合,全身状態の不良,意識障害などにより,方法論的に困難である場合が多い.そのため欧米を中心に,家族や遺族からの報告によってホスピス・緩和ケアの質を評価することが世界的に標準的な評価手法として実施されている1-6).
遺族を対象とした調査では,患者に行われた医療行為や医師の説明について調査することが多いが,調査結果には遺族の想起バイアスの影響が示唆されている.
付帯研究41
遺族と医師によるGood Death Scaleの一致度の検討
近藤 うた*
*東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
はじめに
quality of deathは緩和ケアの質を評価するために重要な指標である.本来であれば,患者本人がquality of deathを自身で評価することが望ましいが,終末期の患者本人による評価は現実的ではない.そのため,一般的に緩和ケアにおける患者のquality of deathは代理評価者によって評価されてきた.
そこで,医師を代理評価者として,患者のquality of deathを客観的に評価する尺度としてGood Death Scaleがある.Good Death Scaleは,Chengらによって台湾で開発され1),児玉らによって日本語版が作成された2).
本研究では,患者の遺族とその患者の担当医師の間でGood Death Scaleを用いた患者のquality of deathの評価が一致しているかを検討した.

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