連載 遺族の声を臨床に活かす ~J-HOPE4研究(多施設遺族調査)からの学び~ 【#17】
家族のケア 【付帯研究33】終末期がん患者の家族のスピリチュアルペインについて(角 裕子)/【付帯研究44】家族内葛藤に関連する症状・医療行為に関する研究(細川 舞, 浜野 淳)
pp.324-332
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_324
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付帯研究33
終末期がん患者の家族のスピリチュアルペインについて
角 裕子⁎
⁎京都大学医学部附属病院看護部/がん看護専門看護師
はじめに
がん患者のスピリチュアルペインに関する研究は多く報告されている.一方,終末期がん患者の家族のスピリチュアルペインに焦点を絞った研究は見当たらない.したがって,現在,日本における終末期がん患者の家族のスピリチュアルペインは明らかにされていない.
付帯研究44
家族内葛藤に関連する症状・医療行為に関する研究
細川 舞⁎1,浜野 淳⁎2
⁎1岩手県立大学看護学部,東北大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程/がん看護専門看護師,⁎2筑波大学医学医療系緩和医療学
はじめに
家族内の葛藤とは,夫婦間,親子間,または家族のほかのメンバー間の対立や意見の相違が生じることである1).家族内の葛藤はがん患者の苦痛や寂しさ,見捨てられ感に関係し,介護者の負担感,健康,抑うつ,怒り,悲嘆にも影響があるといわれている2~6).さらに患者家族のニーズに多職種で応えることに悪影響を及ぼし,質の高いend of life careを提供する阻害因子になる7,8).がん患者・家族への質の高いケアを提供するためには,がん患者・家族に特化した家族内葛藤に関連する因子を明らかにする必要がある.
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