連載 遺族の声を臨床に活かす ~J-HOPE4研究(多施設遺族調査)からの学び~ 【#24】
遺族ケア・在宅ケア 【付帯研究20】遺族からみたホスピス・緩和ケア病棟による望ましい遺族ケアの提供に関する研究(北得美佐子)/【付帯研究34】在宅療養への移行にもかかわらず在宅看取りにいたらなかった症例の要因に関する研究(石井容子)
pp.413-421
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_413
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付帯研究20
遺族からみたホスピス・緩和ケア病棟による望ましい遺族ケアの提供に関する研究
北得美佐子*
*東京医療保健大学和歌山看護学部/和歌山看護学研究科
はじめに
わが国の遺族ケアは海外でも評価されているが1-6),望ましい『カードや手紙』の内容や,『追悼会』の具体的な開催方法までは明らかにされていない.海外では遺族ケアによる複雑性悲嘆(complicated grief:CG)の期間の短縮や遺族の抱える問題に対応したケアの効果の報告があり7),わが国でもなんらかの系統的な遺族ケアが求められていると考える.しかし,遺族ケアについては提供する時期や内容に対する一定の見解が得られていないため,死別ケアについての標準化された方法はなく,臨床では遺族の心情などに配慮しつつ,悩みながら実施している現状がある.
付帯研究34
在宅療養への移行にもかかわらず在宅看取りにいたらなかった症例の要因に関する研究
石井 容子*
*国際医療福祉大学保健医療学部看護学科
はじめに
わが国では,最期の療養場所として在宅がもっとも多く希望されることが報告されている1).しかし,在宅看取りを本人・家族が希望し,在宅療養に移行しながらもそのうちの約2割が最期の看取りを医療機関に入院して迎えている現状がある2)が,その要因については明らかになっていない.

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