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付帯研究18
死亡前24時間の心電図モニター使用の有無が,ご遺族の看取りに対する心理に与える影響に関する調査
田中 雄太*1,佐藤 香*2,宮下 光令*3
*1Yuta TANAKA:東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
*2Kou SATO:市立伊勢総合病院ホスピス科
*3Mitsunori MIYASHITA:東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野
はじめに
心電図モニター(三点誘導法)は,患者の状態を把握し,異常の早期発見,救命を目的として装着される.緩和ケアの分野では,看取り前後の医療の状況は家族の心理に影響する重要な要素であり1,2),看取り期の患者と家族の快適さを妨げるような,目的のないモニターの使用を推奨していない3~5).新城らは,終末期がん患者の死亡確認時に心電図モニターを使用するかどうかは,家族の心理的なつらさと関連せず,家族はその使用を重視していないことから,心電図モニターは不要であると述べている6).一方で,あらゆる医療処置を行うことを重視する患者,家族も存在する7).そこで,緩和ケアの臨床現場において終末期がん患者に心電図モニターを使用する意義に着目し,研究を実施した.
付帯研究42
緩和ケア病棟における望ましい死亡確認に関する研究
細川 舞*1,浜野 淳*2
*1Mai HOSOKAWA:岩手県立大学看護学部,東北大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程/がん看護専門看護師
*2Jun HAMANO:筑波大学医学医療系緩和医療学
はじめに
臨死期の患者の家族は,患者と死別することを予期し絶望したり,状態がだんだん悪化していく様子を見ていることがつらくなったり,死が近づく患者を看取ることに苦悩している.さらに死期が迫っていると認識しているが死を認めたくない,長く生きていてほしいと願う思いもある1).そのような状況で,残念ながら患者が死亡したときにその現実を医師から告げられることは大きな心理的負担になることは,たやすく想像できることである.医師の死亡確認の方法について,改善の必要性が有意に高いことが示されているが,具体的内容は明らかになっていない2).
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