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付帯研究4
看取りの経験が療養場所・死亡場所の希望に及ぼす影響に関する研究
石井 容子⁎
⁎自治医科大学看護学部 基礎看護学分野
はじめに
わが国の一般市民とがん患者に対して行った調査では,希望する療養場所と看取りの場所は変化することが明らかになっている.そのため,看取りを経験された遺族が看取りの経験の前後で希望する療養場所・看取りの場所がどのように変化するかを明らかにし,患者の希望に応じて時期を逃さずに療養場所を適切に選択できるよう,医療者が対応していくことが求められる.そこで,看取りの経験の前後での療養場所や看取り場所の希望に着目し,研究を実施した.
付帯研究10
遺族の考える症状緩和の治療目標(Personalized Symptom Goal)に関する調査
松坂 早希子⁎1,三浦 智史⁎2
⁎1東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野博士後期課程,⁎2国立がん研究センター東病院緩和医療科
はじめに
終末期において,患者の苦痛症状を完全に取り除くことはなかなかむずかしいため,「どの程度であれば,痛みがあっても穏やかに過ごすことができるか」というPersonalized Pain Goal(PPG)や,「どの程度であれば,それぞれの症状があっても穏やかに過ごすことができるか」というPersonalized Symptom Goal (PSG)を用いた治療目標の達成が重要である.
患者自身がその目標を達成することは重要であるが,患者のそばにいる家族にとっても,家族が穏やかに見守ることができる患者の症状の程度よりも,患者の症状の程度が強いと家族が感じることは,家族のつらい気持ちや家族からみた患者のquality of death (QOD)に影響すると考えられる.
したがって,家族が考える,穏やかに見守ることができる患者の症状の程度を評価することが重要である.
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