特集1 看護師だからこそできる“寄り添い”のかたち ~エキスパートの実践に学ぶ~
がん患者・家族をケアするスタッフ間の寄り添いのかたち
広瀬 寛子
1
Hiroko HIROSE
1
1戸田中央総合病院
pp.307-310
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_307
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“寄り添い”のエッセンス
・患者に寄り添うように,自分の感情を認めてあげる ・患者に寄り添うように,仲間の感情を受け止め,支え合う ・不確実さに耐える
はじめに
看護師の研修でさまざまな声を聴く――「暴言を吐き続けられて……」「こんな体で生きている意味がないと言われて,少しでも生きる価値を感じてほしいと思ってかかわったけど,気持ちは変わらないまま亡くなった」「急変したとき家族から私のせいで死んだかのように怒鳴られて……」など.驚くのは,そのような思いを抱えてきたことを誰にも話したことがなかった人が多いことだ.
本稿では,がん患者・家族をケアする看護師が自分自身と仲間同士に寄り添うことについて述べたい.
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