連載 とらうべ
スタッフ間でも“笑い”でコミュニケーションを
大島 希巳江
1
1文京学院大学外国語学部
pp.875
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100414
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- 文献概要
人間はコミュニケーションをするとき,35%は言葉を使って,残りの65%は非言語といって言葉以外でコミュニケーションをとります。非言語には顔の表情,ジェスチャー,声の高低などがあります。そのなかでも,笑顔は最も好意的なメッセージを伝達する重要な役割を果たしています。生まれたばかりの赤ちゃんも,しゃべることができませんが非言語を使ってさまざまなメッセージをお母さんに送ります。赤ちゃんの笑顔はエンジェル・スマイルと呼ばれるほど左右対称でステキです。笑顔というのは,人間が生まれて初めて相手に発信する好意の表現です。そして,赤ちゃんが笑うと思わず見ているこちらも笑顔になります。実は,これは笑うのが赤ちゃんだからということではなく,人は好きな相手の笑顔には笑顔を返したくなるのです。
コミュニケーションでは,これはミラーリングといわれる行為で,多くの人が無意識のうちに好きな相手の表情やジェスチャーを真似するということを繰り返しています。笑顔や笑いは伝染するといわれるのは,こういう行為が関係しているのです。そのため,自然に笑顔のある職場にはたくさんの笑顔が溢れます。どうしても職場ではストレスを受けやすいものです。しかし,ストレスは笑いと相反するもので,ストレスを感じていると笑うことが難しくなります。逆に,笑うことでストレスを解消し,より好意的な人間関係を築くことができるといえます。
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