特集1 看護師だからこそできる“寄り添い”のかたち ~エキスパートの実践に学ぶ~
限られた時間で患者との関係性を築こうとする寄り添いのかたち
柏谷 優子
1
Yuko KASHIWAYA
1
1前 辻仲病院柏の葉緩和ケア病棟/緩和ケア認定看護師
pp.298-300
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_298
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“寄り添い”のエッセンス
・患者にとって寄り添うことを許される看護師でいること ・患者に変化を強いない配慮をすること ・安易にわかったつもりにならないこと
緩和ケア病棟は急性期集中ケア病棟
私が現在勤務する外来-病棟一体型の緩和ケア病棟は,開設6年目で,人口約41万人の千葉県柏市にある.二次医療圏である東葛北部地域内に緩和ケア病棟は7施設147床あり,専門的緩和ケアへのアクセスが容易な地域だといえる.また,訪問診療や訪問看護などの医療資源も豊富で,利用者が比較的自由に療養の場を行き来できる体制が整っている.実際,昨年度の当院緩和ケア病棟平均在院日数は18.2日で,退院患者の40%以上は入院1週間未満の病棟滞在である.また,外来診療にも力を入れており,退院の38.4%は症状緩和目的などの短期滞在患者の生存退院で,当院は死亡退院ばかりの緩和ケア病棟ではない.もっと言えば,緊急入院などの予約外入院率も43.6%,ゆったりとした時間が流れる緩和ケア病棟のイメージとはやや違う,急性期集中ケア病棟といった感じではないかと思う.
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