特集1 看護師だからこそできる“寄り添い”のかたち ~エキスパートの実践に学ぶ~
苦痛症状を抱えながら生活する患者への寄り添いのかたち ~レジリエンス,エンパワメント~
田墨 惠子
1
Keiko TAZUMI
1
1大阪大学医学部附属病院看護部/がん看護専門看護師
pp.285-287
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_285
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“寄り添い”のエッセンス
・症状マネジメントは患者の“やろう”とする力がキーとなる.患者の力を引き出すためには,患者を主体的にとらえ,患者のやりかたにアプローチする ・患者の力を引き出すためには,看護師が患者のもつ力を信じることが大切である ・患者にかける,通り一遍の言葉ではなく,一人ひとりの患者を思う日々の言葉の積み重ねが,寄り添いを形づくるように思う
私は,大学院でDr. Larsonらが開発した症状マネジメントモデル(model for symptom management:MSM)1~3)について学んだ.患者は自分の症状体験に基づいて自分の症状を自分なりのやり方でマネジメントしようとしているという,患者を主体的にとらえたモデルである.看護師は,患者のもつ力を引き出し,患者自身が症状をマネジメントできるよう支援する.この学びが,私の患者への寄り添いの形の基本となっている.また,患者の力に働きかける看護師の何気ないケアに,意味を見つけることができている.
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