今月の症例
BSCに移行する時期の病棟カンファレンス
岩本 純子
1
Junko IWAMOTO
1
1北里大学病院緩和ケアセンター/がん看護専門看護師
pp.777-780
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_777
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はじめに
がんへの積極的な治療効果が期待できなくなり症状緩和を主体とした医療へ移行する時期,いわゆるベスト・サポーティブ・ケア(BSC)へ移行する時期のカンファレンスでは,病状説明や患者の現状理解,医療者との認識の乖離,療養場所の選択,家族ケアなどが話題になる.この時期のカンファレンスには,人生の最終段階を迎える患者および家族などの支援1)として,これまでのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取り組みを振り返り必要なかかわりを検討することで,患者が自分らしく最期まで生きる支援,患者と家族がよりよい最期を迎える支援を進めることにつながる.
筆者は院内のACP推進プロジェクトチームのメンバーであり,緩和ケアチームに所属するがん看護専門看護師としてこの時期のカンファレンスに参加する機会がある.今回BSCに移行する時期の患者の病棟カンファレンスについて紹介する.事例の個人情報は個人が特定されないよう一部加工した.
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