バランスト・スコアカー道—マネジメントをめぐる冒険
BSCとの出会い
末盛 泰彦
1
1福岡リハビリテーション病院 麻酔科
pp.492-493
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201663
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はじまりはQBS
2007年の冬,ふと目にした「マネジメントの時代」という文言が気にかかった。麻酔科医としての今後の自分に足りないものは,この「マネジメント」とやらではないのだろうか,と。それは,九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻,通称「九州大学ビジネス・スクール(QBS)」の募集要項の中で目にしたものだった。
QBSの入学試験は,秋の一般試験と冬の特別選抜の2度実施される。特別選抜とは一般試験の後に若干名を追加募集するもので,小論文と面接が課される。そもそも経済学的な素養もなく,臨床に追われる身での一般試験挑戦は無謀だ。ただ特別選抜の小論文なら何とかなるかもしれない。そこで,一念発起で受験を決意し,駆け出し麻酔科医として抱いていた当時の問題意識を一つ一つ小論文内に記してみた。また面接の場では,特に手術室で有効な「マネジメント」を学びたい,ということを規定時間いっぱいに述べた。思い返せば,いずれもギャンブルだった。しかし賽の目は味方し,とにもかくにも翌年4月から,病院勤務後に夜学として開講されるQBSキャンパスに駆けつける慌ただしい生活が始まった。
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