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特集 在宅透析
腹膜透析
至適透析から考える移行時期
Transition period for another RRT considering optimal dialysis
松尾 七重
1
MATSUO Nanae
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
体液管理
,
中分子尿毒素
,
SDM
Keyword:
体液管理
,
中分子尿毒素
,
SDM
pp.435-438
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001263
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はじめに
2000年ごろから,日本ではこれまでの酸性腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)液に代わり中性PD液が使用可能となり,現在はほぼ中性液となっている。酸性液時代には,被囊性腹膜硬化症(encapsulating peritoneal sclerosis:EPS)の当時の発症率を背景とした発症予防の見地から,PD継続期間を7年前後としていた施設も多い。これに対し,中性液では腹膜劣化の軽減がミクロ(組織)・マクロ(腹腔鏡)のどちらでも確認されており1),実際に中性液使用患者のみを対象とした日本のスタディではEPSの発症率は1.0%まで低下した2)。このことより,最近ではEPSの観点からはPD期間を慎重に延長することが議論されている。今日,PD単独療法からPD+血液透析(hemodialysis:HD)併用療法(併用療法)に移行する時期,あるいはPDを完全に中止し週3回のHDに移行する時期を決める因子として,至適(適正)透析を達成できているかどうか,がより重要となってきている。本稿では,至適透析から考えるPD療法からの移行時期について解説する。
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