今月の症例
多職種連携による薬剤と生活行動の調整に対するアプローチが痛みのマネジメントに有用だった一事例
牧野 佐知子
1
,
稲岡 健一
2
Sachiko MAKINO
1
,
Kenichi INAOKA
2
1国立病院機構豊橋医療センター看護部/がん看護専門看護師
2国立病院機構豊橋医療センター外科
pp.781-784
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_781
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はじめに
がん医療の現場において,痛みは医療者が日常的に遭遇する症状の一つであるが,繁雑な外来診療の場では,医療者が患者の痛みにじっくり向き合うことはむずかしいことが多い.McCaffery1)は,「痛みを体験している人が“痛みがある”というときはいつでも存在している」と述べている.患者が自身の身体感覚をもって主観的に体験する痛みは,時にその患者の身体状況を如実に表していることがある.今回,短期間の入院中に患者の症状体験を理解し,多職種と連携して薬剤と生活行動の調整を患者に働きかけた結果,良好な痛みのマネジメントにつながった事例を経験したので報告する.
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