特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診療体制の整備】
リンクナース制度の確立 ~患者ニーズを見つけて専門医療チームにつなぐ~
飯沼 むつみ
1
,
水主 いづみ
2
Mutsumi IINUMA
1
,
Idumi SUISHU
2
1静岡県立静岡がんセンター副院長
2静岡県立静岡がんセンター看護部長
pp.632-634
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_632
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いま求められているもの
静岡がんセンター(以下,当院)では,主として入院患者を対象に積極的な症状緩和,副作用・合併症・後遺症対策,医療安全などを目的として8種の多職種専門チームとそれに連動する病棟に整備されたリンクナース組織を設置している.当院の「リンクナース制度」は,患者・家族が抱えるさまざまな悩み・負担をすみやかに見つけ,予防,早期介入するしくみである.リンクナースは,自らが所属する部署の入院患者を対象に,当該ケア領域において専門チームの介入が必要か否かの判定を目的としたスクリーニングを行い,必要に応じて多職種専門チームに対し診療を依頼する.リンクナースによるスクリーニングと早期介入依頼は,症状悪化のリスクがある患者に対し,予防,早期発見,早期治療につながり,一人ひとりの患者のQOLの向上を追求することを可能とする.
本稿では当院でのリンクナース制度確立への取組みについて述べる.リンクナース制度の全体像を表1に示す.
© Nankodo Co., Ltd., 2019