読者からの手紙
保健所における婦長制度の確立について
堤 幸子
pp.9
発行日 1958年6月10日
Published Date 1958/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201658
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保健所における婦長制度の確立については,56年前否その以前から叫ばれていたかも知れません.昭和28年に都道府県保健婦係の会議が開催された際,出席者の殆んどが婦長制度の確立を要望し当時の厚生省看護課への大きな要求であつたと思う.しかしこの様な行政的要望は余り強く取上げられないままに保健婦業務内容の充実と云う事でけりがつき,その内容の研究討議で終つたものであつた.その後私も出先機関たる保健所,保健婦養成機関へと出て行つたので直接の声に触れる事もなくなつた.が係員の連絡や会合等を通して聞くところではこの問題については影をひそめて行つた様であつた.それぞれの県とその主務課主務係長の手腕に待つところも確かに大きかったろうし,看護係長と婦長との緻密なる提携と仕事への情熱,誠実,積極性というものが,或県ではすでに確立をみたでしようが恐らくまだ多くの県では実現出来なかつたところも多いのではなかろうか.昨年10月公務員給与改訂に伴い,婦長格付が大きな問題として上つて来た.この機会に当県でも運動し漸く一等級に該当する事になつたがそれも全婦長の1/2しか任官していないため一応任官している者だけが適応を受けた.本年4月に任官していなかつた婦長の殆んどが任官し,看護係の並々ならぬ陰の力が大きかつたかを感謝するのである.しかし婦長としての確固たる説明づける根拠が何ものもないのである.
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