特集 衛生害虫駆除
蚊とハエのいない生活運動の評価と今後の方向
理念の確立と制度化
須川 豊
1
1兵庫県衛生部
pp.356-359
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202837
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はじめに
アメリカ軍の指示による衛生班中心の「そ族昆虫駆除事業」が,補助金から平衡交付金にきり変えられ,日本独特のやり方を考えねばならぬことになって,地区組織活動のテーマとして取りあげて以来,5年の歳月を経た。当時の厚生省環境衛生課に勤めて「地区衛生組織」とか,「蚊とハエのいない生活」などの名称を考えたり,毎日新聞に環境衛生地区の表彰制度をもちこんだり,大学の医動物学教室や生物学教室の野外研究を推進して,行政の技術的うらづけのもとに,全国的展開をはかること4年間,橋本正巳氏(現,公衆衛生院行政学部長)の助力により,体系づけつつ全国各地に拡げた。
昭和29年新潟に赴任し,県段階の規模で推進してどうなるかを考え「住みよい郷土建設運動」と銘うって,「蚊とハエのいない生活を出発点とした地域づくり」の構想のもとに推進して4カ年,いろいろの工夫と悩みを体験した。
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