Japanese
English
人工関節における進歩 Ⅵ.手術支援技術
1.ナビゲーション
1)CT-basedナビゲーション
CT-basedナビゲーションを使用したリバース型人工肩関節全置換術
Reverse total shoulder arthroplasty with computed tomography based navigation
松居 祐樹
1
,
門間 太輔
2
,
岩崎 倫政
1
Y. Matsui
1
,
D. Momma
2
,
N. Iwasaki
1
1北海道大学大学院整形外科
2北海道大学病院スポーツ医学診療センター
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo
キーワード:
reverse total shoulder arthroplasty
,
global positioning system navigation
Keyword:
reverse total shoulder arthroplasty
,
global positioning system navigation
pp.124-128
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei83_124
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は じ め に
リバース型人工肩関節全置換術(reverse total shoulder arthroplasty:RSA)は腱板断裂性関節症に対する治療法として良好な成績が報告されているが,合併症の報告も多い1,2).RSAは比較的難易度が高いことからラーニングカーブが存在することが報告され,安定した手技の確立まで15~20例の経験が必要と考えられており3~5),わが国では実施するために資格の獲得が必須である.インプラントの設置位置やベースプレートを固定するスクリューの長さは術後成績に影響する重要な因子であり,設置不良はインプラントの脱転や早期の弛みの原因になる.特に関節窩インプラントの正確な設置は術中の透視のみでは困難であり,さらに前後捻の把握は経験に頼らざるをえない.われわれはCT-based global positioning system(GPS)ナビゲーションを使用したRSAを行っている.これは術前CTデータをもとに,術中に烏口突起にトラッカーを設置して基準点とし,レジストレーションを行い,GPSナビゲーションを使用してリアルタイムに位置を確認しながらインプラントを設置する手技である(図1).そのため,より安全に正確なインプラント設置が可能であると考えられることから,RSAを始めてまもない術者にも有用であると考えられる.そこで,RSA初心者でもナビゲーションを使用することで関節窩のインプラント設置を,経験者と同程度に正確に設置することが可能であると仮説を立てて以下の研究を行った.
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