Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅰ.総 論
3.侵襲的治療
2)人工関節手術
ナビゲーションシステムを用いたリバース型人工肩関節置換術の実際
Our current procedure of reverse total shoulder arthroplasty using preoperative three-dimensional planning and intraoperative navigation
中澤 克優
1
,
間中 智哉
1
,
飯尾 亮介
1
,
伊藤 陽一
2
,
平川 義弘
1
,
中村 博亮
1
K. Nakazawa
1
,
T. Manaka
1
,
R. Iio
1
,
Y. Ito
2
,
Y. Hirakawa
1
,
H. Nakamura
1
1大阪公立大学大学院整形外科
2伊藤クリニック・大阪ショルダーセンター
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
reverse total shoulder arthroplasty
,
navigation
,
three-dimentional plannig
,
clinical result
Keyword:
reverse total shoulder arthroplasty
,
navigation
,
three-dimentional plannig
,
clinical result
pp.51-55
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_51
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は じ め に
リバース型人工肩関節置換術(RSA)は,修復不可能な広範囲腱板断裂例や腱板断裂性肩関節症例といった腱板機能障害を伴う肩関節症に対して有効な治療法である1).
しかしながら,RSA後の合併症として肩甲骨コンポーネントの無菌性の弛みが1.1~5%程度に生じることが報告されており,再手術の原因の18.2%であることが知られている2).特に肩甲骨コンポーネントの設置位置は重要である.ベースプレートの上方傾斜での設置は無菌性の弛みの原因となり,正確な設置位置と十分な固定が必要となる3).
一方,肩甲骨関節窩の形態は変化に富んでいることが知られている.特徴的なランドマークが少なく,肩甲骨関節窩の十分な露出が困難な場合もあり,術中に肩甲骨関節窩の形態を正確に把握することは困難である4).
近年,三次元術前計画ソフトウエアが導入されてきており,三次元的な画像情報を用いた術前計画ができるようになってきた.また,患者固有ガイドやナビゲーションなどの手術支援技術が使用できるようになり,正確なインプラント設置が可能となってきている.
そこで,われわれは,RSA施行時にナビゲーション使用例(N群)と非使用例(C群)の肩甲骨コンポーネント設置状態を比較・検討し,ナビゲーションの有用性を検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2022