Japanese
English
人工関節における進歩 Ⅴ.各種人工関節置換術の中・長期成績
3.人工膝関節置換術
アジア人向け人工膝関節の臨床成績
Clinical outcome in total knee arthroplasty for Asian
赤瀬 広弥
1
,
平川 雅士
1
,
長嶋 優
1
,
松田 昌悟
1
,
津村 弘
1
H. Akase
1
,
M. Hirakawa
1
,
Y. Nagashima
1
,
S. Matsuda
1
,
H. Tsumura
1
1大分大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Oita University School of Medicine, Yufu
キーワード:
TKA
,
clinical outcome
,
Asian
Keyword:
TKA
,
clinical outcome
,
Asian
pp.118-121
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei83_118
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は じ め に
人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)は変形性膝関節症や関節リウマチといった膝関節疾患に対して,除痛および機能改善が期待される広く普及された治療である.近年,超高分子量ポリエチレンの出現によりインプラントの耐久性が上昇し長期成績が向上してきている一方で,臨床成績については約2割に手術不満足例があるとされている1).その主たる理由に疼痛残存があり,サイズ不適合によるオーバーハングは疼痛残存の一つの要因としてあげられる2).しかしながら,TKAインプラントはその多くが欧米で作成されており,体格の小さなアジア人においてはサイズ不適合が生じやすいことが予想される.アジア人向けに開発されたFuture Knee(帝人ナカシマメディカル社)[図1]は,アジア人の骨形態に基づいて作成され,サイズはもちろん,顆部形状をよりアジア人の形態に近づけるよう設計されている.そのうえで,形態および靱帯バランスによる生理的なmedial pivot motionを再現させるため,インサートの適合性は弱め,伸展10°,屈曲30°の回旋を許容させている.当科でのFuture Kneeを使用したTKAの臨床成績について報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023