Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅶ.小児整形疾患に対する保存的治療
発育期仙骨翼疲労骨折に対する保存的治療
Conservative therapy for developmental sacral ala fatigue fracture
辰村 正紀
1
,
平林 匠
1
,
蒲田 久典
2
,
奥脇 駿
1
,
江藤 文彦
1
,
山崎 正志
3
M. Tatsumura
1
,
T. Hirabayashi
1
,
H. Gamada
2
,
S. Okuwaki
1
,
F. Eto
1
,
M. Yamazaki
3
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター水戸協同病院整形外科
2筑波大学整形外科
3筑波大学医学医療系整形外科
1Dept. of Orthop. Surg. and Sports Medicine, Tsukuba University Hospital Mito Clinical Education and Training Center/Mito Kyodo General Hospital, Mito
キーワード:
sacral ala
,
conservative therapy
,
MRI
,
bone marrow edema
,
fatigue fracture
Keyword:
sacral ala
,
conservative therapy
,
MRI
,
bone marrow edema
,
fatigue fracture
pp.172-177
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_172
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は じ め に
仙骨翼疲労骨折は1984年に最初に報告され1),発生頻度は高くないとされている2).仙骨翼疲労骨折の主症状は腰痛であるが,腰痛を訴える発育期運動選手は腰椎分離症であることが多い.特に発育期の男性のうち腰痛で受診する6割以上の症例が腰椎分離症を有していたと報告されており3),腰痛の原因診断としては腰椎分離症を検索することが一般的である.また発生年齢に関しても,仙骨翼疲労骨折のレビューでは18歳未満は29例中わずか4例であり4),腰椎分離症に比べ発症年齢は高く発育期の発生は多くないといえる.そのため発育期運動選手の仙骨翼疲労骨折の症例報告は,国内外通じて散見する程度である.われわれは,当院を受診した発育期仙骨翼疲労骨折例を解析したので報告する.
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