Japanese
English
運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅶ.小児整形疾患に対する保存的治療
乳幼児未整復発育性股関節形成不全例に対するoverhead traction法
-――ホームトラクションの導入
Home traction in the treatment of overhead traction for developmental dysplasia of the hip
髙橋 大介
1
,
北原 圭太
1
,
浅野 毅
1
,
清水 智弘
1
,
髙橋 要
1
,
岩崎 倫政
1
D. Takahashi
1
,
K. Kitahara
1
,
T. Asano
1
,
T. Shimizu
1
,
K. Takahashi
1
,
N. Iwasaki
1
1北海道大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo
キーワード:
DDH
,
overhead traction
,
home traction
Keyword:
DDH
,
overhead traction
,
home traction
pp.178-181
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_178
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は じ め に
発育性股関節形成不全(DDH)は,1970年代前半までは発症率が2~3%と高率であったが,Ishidaが提唱したコアラ抱っこなどの育児指導が普及したことで,その後の発症率が0.2~0.3%まで減少した1).一方,発症率が低下した近年では,DDHの一般認識の低下,健診医の診断力低下などにより診断遅延例が散見され全国的な問題となっている2).また,適切な時期にリーメンビューゲル(Rb)法を行っても10~15%程度で整復が得られない症例が存在する.当科では3歳未満の乳幼児未整復DDH例に対して,overhead traction(OHT)法による緩徐整復を行っており,原則観血的整復術を行っていない.2016年からは入院期間の短縮により保護者の負担を軽減する目的で,自宅で水平牽引を行うホームトラクションを導入しているので紹介する.
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