Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
1.脊 椎
腰椎分離症治療のupdate
Update of treatment for lumbar spondylolysis
辰村 正紀
1,2
,
蒲田 久典
1,2
,
石本 立
1,2
,
奥脇 駿
1,2
,
平林 匠
1,2
,
山﨑 正志
3
M. Tatsumura
1,2
,
H. Gamada
1,2
,
R. Ishimoto
1,2
,
S. Okuwaki
1,2
,
T. Hirabayashi
1,2
,
M. Yamazaki
3
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
2茨城厚生連総合病院水戸協同病院整形外科
3筑波大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., and Sports Medicine, Tsukuba University Hospital Mito Clinical Education and Training Center
2Mito Kyodo General Hospital, Mito
キーワード:
lumbar spondylolysis
,
conservative therapy
,
smiley face rod fixation
,
semi-hard brace
,
fusion rate
Keyword:
lumbar spondylolysis
,
conservative therapy
,
smiley face rod fixation
,
semi-hard brace
,
fusion rate
pp.102-107
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_102
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は じ め に
腰椎分離症は発育期の運動選手に好発する椎弓峡部の疲労骨折である.運動時に腰痛を伴うこともあるが,まったく痛みを伴わないため受診にいたらず,初診時にはすでに偽関節化しているという症例も散見される.受診にいたらない例も存在するため発生頻度には報告によりばらつきがあり,メタ解析による発生率は一般人口の3~7%,運動選手の7~21%とされている1).
診断に関しては単純X線像を画像検査の主体としていた時代には,分離部に大きなgapが生じてから発見されるため早期の診断が困難であったと考えられる.現在のようにMRI撮像による骨髄浮腫を見出すようになってからは,骨折線が離開する前の骨髄浮腫のみの病態である分離前期でも診断が可能となり,早期より治療介入が可能となってきた.
治療法は保存的治療を原則とする.報告により細部は異なるが,運動禁止を含む安静およびコルセット着用が標準的な治療となる.癒合率という点からみれば,ほかの部位の疲労骨折と比較すると保存的治療における治療成績は良好とはいえず,偽関節化する症例は少なくない.ひとたび偽関節化した分離部を癒合させるためには観血的な治療が必要である.
本研究では当院における保存的治療の成績ならびに偽関節例に対して施行したsmiley face rod法2)による分離部修復の治療成績を報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018