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連載 最新原著レビュー
オーバーユースを原因とした発育期運動選手における仙骨翼疲労骨折の特徴
Features of sacral alar fatigue fractures in adolescent athletes with overuse
辰村 正紀
1,2
,
竹内 陽介
3
,
長島 克弥
4
,
奥脇 駿
3
,
蒲田 久典
3
,
船山 徹
3
,
万本 健生
4
,
平野 篤
3
,
山崎 正志
3
M. Tatsumura
1,2
,
Y. Takeuchi
3
,
K. Nagashima
4
,
S. Okuwaki
3
,
H. Gamada
3
,
T. Funayama
3
,
T. Mammoto
4
,
A. Hirano
3
,
M. Yamazaki
3
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
2茨城県厚生連総合病院水戸協同病院整形外科
3筑波大学整形外科
4筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg. and Sports Medicine, Tsukuba University Hospital Mito Clinical Euducation and Training Center
2Mito Kyodo General Hospital, Mito
キーワード:
sacral alar fatigue fracture
,
adolescent athlete
,
over use
Keyword:
sacral alar fatigue fracture
,
adolescent athlete
,
over use
pp.1329-1334
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1329
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【要 旨】
目 的:仙骨翼疲労骨折には,高齢者,出産後,スポーツ関連の三つのタイプがある.スポーツ関連の骨折は成人に多く,発育期スポーツ選手における仙骨翼疲労骨折の報告は少ない.本研究の目的は,発育期スポーツ選手における仙骨翼疲労骨折の特徴を解析することである.
対象および方法:腰痛で受診した患者920例のうち,13例がMRI異常で仙骨翼疲労骨折と診断された.年齢,性別,競技種目,発症から受診までの日数,側性,腰椎分離症との合併,CT所見,治療期間について検討した.
結 果:平均年齢は14.5歳(男性8例,女性5例).もっとも多かった種目はバスケットボールであった.受診までの日数は13.2日であり,腰椎分離症を合併した症例は7例であった.MRI異常は全例に認められた.CT異常は2例のみであった.治療開始後,平均67日でスポーツに復帰した.
結 論:仙骨翼疲労骨折は発症から受診までの期間が短いため,痛みが強いと考える.CTでは骨折線が不明瞭なことが多く,診断にはMRIが有用である.また半数以上の症例が腰椎分離症を合併していた.
© Nankodo Co., Ltd., 2023