Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅴ.リハビリテーション,義肢,装具
腰部支援用ロボットスーツを用いた重作業における職業性腰痛の予防
Approach using HAL for lumbar support for prevention of occupational low back pain caused by heavy work
三浦 紘世
1
,
門根 秀樹
2
,
安部 哲哉
1
,
國府田 正雄
1
,
山崎 正志
1
K. Miura
1
,
H. Kadone
2
,
T. Abe
1
,
M. Koda
1
,
M. Yamazaki
1
1筑波大学整形外科
2筑波大学附属病院未来医工融合研究センター
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
HAL for lumbar support
,
heavy work
,
low back pain
Keyword:
HAL for lumbar support
,
heavy work
,
low back pain
pp.236-240
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_236
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は じ め に
2012年に策定された「腰痛診療ガイドライン」によると,日本国内の疫学調査では職業性腰痛の有訴率が40~50%,職業性腰痛の既往歴が70~80%との報告が多く1),その患者数は膨大である.Itohらは,日本における職業性腰痛の医療費を算出し,年々増加傾向にあり,2011年の時点で約821億円(入院で約264億円,外来で約556億円)に達したと報告している2).この直接医療費に加えて,休業や社会的保障などの間接的損失も影響が大きい.膨大な患者数とそれにかかる医療費や間接的損失は大きな社会的問題であり,職業性腰痛を予防する取り組みが急務である.そこで,筆者らは,腰部支援用のロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb,Cyberdyne社)に着目し,職業性腰痛リスクが高い重作業に対して腰部支援用HALを用いた研究を行ってきた.本稿では,腰部支援用HALの重作業における腰部負荷軽減効果と作業量向上効果について論述したい.
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