Japanese
English
骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅲ.脊椎骨折の病態と治療
経皮的椎弓根スクリューを使用した椎体形成併用後方固定術における術前の脊椎不安定性を指標にした術後の矯正損失量予測
Relationship of preoperative spinal instability and postoperative vertebral collapse in posterior instrumentation surgery using perctaneous pedicle screw and vertebrolplasty for osteoporotic vertebral fracture
船山 徹
1
,
安部 哲哉
1
,
野口 裕史
1
,
三浦 紘世
1
,
國府田 正雄
1
,
山崎 正志
1
T. Funayama
1
,
T. Abe
1
,
H. Noguchi
1
,
K. Miura
1
,
M. Koda
1
,
M. Yamazaki
1
1筑波大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., University of Tsukuba, Tsukuba
キーワード:
osteoporotic vertebral fracture
,
perctaneous pedicle screw
,
preoperative spinal instability
,
postoperative collapse
Keyword:
osteoporotic vertebral fracture
,
perctaneous pedicle screw
,
preoperative spinal instability
,
postoperative collapse
pp.97-101
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_97
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は じ め に
われわれはこれまで骨粗鬆症性椎体骨折は胸腰椎移行部が73%を占め,手術にいたった症例も同部位が96%を占めていたことを報告した1).本骨折に対する椎体形成を併用した後方固定術では術後に矯正損失することが知られているが2,3),これまで矯正損失量を予測する術前の指標はない.
近年急速に普及した経皮的椎弓根スクリュー(perctaneous pedicle screw:PPS)は手術侵襲や術中出血を低減したい高齢者の脊椎手術において非常に有利であり,本骨折に対しても有用性が報告されている4~6).
われわれも本骨折に対して椎体形成を併用したPPSによる後方固定を行ってきたが,これまで術前の椎体不安定性が非常に大きかった症例で,術後早期に大きく矯正損失し尾側のスクリューがバックアウトして再手術にいたった症例を経験した7).そこでわれわれは術前の脊椎不安定性を指標に術後の矯正損失量が予測できるという仮説を立てた.
© Nankodo Co., Ltd., 2020