脊椎関節炎外来における診療の実際と最新の動向 -――体軸性脊椎関節炎を中心に

Latest findings on axial spondyloarthritis including the introduction of a special outpatient clinic

は じ め に

　脊椎関節炎（spondyloarthritis：SpA）とは，強直性脊椎炎（ankylosing spondylitis：AS）を含む体軸および末梢の関節に炎症をきたす疾患の総称で，古くは「血清反応陰性関節炎」と呼ばれてきた概念である^1）．SpAは原則として，仙腸関節，脊椎を中心とした靱帯付着部を中心に炎症をきたす体軸性脊椎関節炎（axial SpA：axSpA）と，末梢の関節炎や腱付着部炎が主体となる末梢性脊椎関節炎（peripheral SpA；pSpA）に分けられる．axSpAは主にASと，X線基準を満たさないaxSpA（non-radiographic axSpA：nr-axSpA）からなり，pSpAは乾癬性関節炎（psoriatic arthritis：PsA），反応性関節炎（reactive arthritis），炎症性腸疾患に伴う関節炎（IBD-SpA）および分類不能関節炎（uSpA）からなるが，それぞれの病態が部分的にオーバーラップしている症例，たとえば，axSpAの中にも末梢病変を合併するものや，PsAの中にも脊椎病変を合併するものも少なからず存在する（図1）^2）．