Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅰ.総 論
2.保存的治療:リハビリテーション
上肢機能障害に対する装着型肩関節ロボットを用いた新たなロボットリハビリテーション治療
Robotic rehabilitation training using new wearable shoulder robotics for upper limb dysfunction
久保田 茂希
1
,
門根 秀樹
2
,
清水 如代
3
,
國府田 正雄
1
,
山崎 正志
1
S. Kubota
1
,
H. Kadone
2
,
Y. Shimizu
3
,
M. Koda
1
,
M. Yamazaki
1
1筑波大学整形外科
2筑波大学未来医工融合研究センター(CIME)
3筑波大学リハビリテーション科
1Dept. of Ortop. Surg., Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba
キーワード:
robotic shoulder rehabilitation
,
postoperative C5 palsy
,
Hybrid Assistive Limb(HAL)
,
shoulder
,
adjustment ratio
Keyword:
robotic shoulder rehabilitation
,
postoperative C5 palsy
,
Hybrid Assistive Limb(HAL)
,
shoulder
,
adjustment ratio
pp.35-40
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_35
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は じ め に
頚椎術後C5麻痺を代表とする上肢機能障害は治療に難渋することが多い.特に術後C5麻痺は高頻度で発症する頚椎術後合併症の一つであり1,2),その有効な保存的治療は確立しておらず,上肢機能障害が永続する患者も少なくない.われわれは,上肢機能障害治療に新たなロボットリハビリテーション技術を駆使している.また,その安全性・有効性を検証するため,さまざまな医師主導型自主臨床試験を医学領域と工学領域の専門家が連携し行っている.このようにロボットリハビリテーション技術を用いた治療と研究の両方に取り組んでいる.装着型サイボーグHybrid Assistive Limb(HAL)は,当大学システム情報系で研究開発された機能回復動作支援ロボット(サイボーグ)である3).われわれは肘・膝関節用の単関節HALを肩関節へ装着応用し,術後C5麻痺により上肢機能障害を有する患者に対して,肩関節タイプHAL(肩関節HAL)を用いた肩関節外転訓練を実施し,その安全性と有効性を検討している.本稿では,われわれがすすめている上肢疾患に対するHAL治療の実際を紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022