Japanese
English
しびれ・痛みに対する整形外科診療の進歩 Ⅱ.疾患・病態別の診断・治療
2.腰椎
専門病院における椎間板ヘルニア治療に対する薬物使用の現状
Current drug usage for lumber disc hernia treatment
金子 剛士
1
,
稲波 弘彦
1
,
高野 裕一
2
,
古閑 比佐志
2
,
横須賀 純一
2
T. Kaneko
1
,
H. Inanami
1
,
Y. Takano
2
,
H. Koga
2
,
J. Yokosuka
2
1稲波脊椎・関節病院整形外科
2岩井整形外科内科病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Inanami Spine and Joint Hospital, Tokyo
キーワード:
endoscopic lumber discectomy
,
NSAIDs
,
conservative treatment
,
medication
Keyword:
endoscopic lumber discectomy
,
NSAIDs
,
conservative treatment
,
medication
pp.141-144
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei74_141
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は じ め に
わが国の急速な高齢化に伴い,脊椎疾患による手術は増加傾向にあり,今後さらに増えることが予測される1).今後健康寿命の延伸に伴い,アクティビティの高い活動が増える結果,治療対象としての椎間板ヘルニアも多くなる可能性があると考えられる.現在,椎間板ヘルニアの治療プロセスについては,「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン」2)があるものの,手術的治療か保存的治療かの判断をはじめとする治療方針の最終策定については,おのおのの担当医の経験や主観によるところが大きいというのが現実である.
当院では,椎間板ヘルニア治療に対し脊椎内視鏡手術を施行しているが,保存的治療も選択肢の一つとしてとらえている.保存的治療では,ブロック注射や投薬が中心となる.特に保存的治療における投薬の現状については先行研究に乏しく,治療に際しどのような薬剤が使用されているかは明らかではない.近年,多くの鎮痛薬が使用可能となり,治療の選択肢が増えた.今回,当院の保有する医療情報と包括医療費支払い制度(DPC)データとを組み合わせることにより,当該患者の投薬治療の詳細情報と手術情報が抽出可能であった.このデータを用いて,保存的治療群と手術的治療群の薬物使用の現状を明らかにした.
© Nankodo Co., Ltd., 2018