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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
MR画像における腰椎椎間板ヘルニアの自然経過
Natural History of Symptomatic Lumbar Disc Herniation Controlled by MRI
小森 博達
1,2
,
中井 修
3
,
山浦 伊裟吉
3
,
黒佐 義郎
3
,
吉田 裕俊
3
Hiromichi Komori
1,2
1取手協同病院整形外科
2東京医科歯科大学
3九段坂病院整形外科
1Deptartment of Orthopedic Surgery, Toride Kyodo General Hospital
キーワード:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
磁気共鳴像
,
MRI
,
保存療法
,
conservative treatment
Keyword:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
磁気共鳴像
,
MRI
,
保存療法
,
conservative treatment
pp.457-464
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901349
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抄録:腰椎椎間板ヘルニアによる下肢痛は,保存療法によく反応し緩解を見ることが多いが,突出した椎間板組織がどの様な転帰をたどるのかはよくわかっていない.我々は保存療法を施行した腰椎椎間板ヘルニア66例の臨床症状の推移と経時的MR画像変化を比較検討した.12例の不一致例を除くと,画像の変化と症状の推移は概ね相関したが,画像の変化は症状の改善にやや遅れる傾向があった.ヘルニア腫瘤の著しい縮小は,変性度の高い椎間板からの脱出ヘルニア例で高頻度に認められ,脱出の度合が大きければ大きいほど縮小傾向が著しかった.また,明らかな縮小を示した症例の下肢痛持続期間の平均は2カ月と短かく画像上の変化に乏しい症例との間には有意の差があった.ヘルニア縮小の機序には,脱水,変性,貪食による溶解吸収の可能性のほかに,短期間でヘルニアの消失してゆく症例があり免疫反応の関与の可能性が示唆された.
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