特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 胸腰仙椎変性疾患 変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症 80歳以上の高齢者に対する脊椎固定術
石川 慶紀
1
,
宮腰 尚久
,
島田 洋一
1秋田大学 整形外科
キーワード:
骨粗鬆症
,
術後合併症
,
脊柱管狭窄
,
脊柱側彎症
,
脊椎固定術
,
脊椎すべり症
,
せん妄
,
椎間板ヘルニア
,
発生率
,
腰椎
,
失血-外科
,
治療成績
,
80歳以上高齢者
,
症状評価
,
手術時間
,
椎体圧潰
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Delirium
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Lumbar Vertebrae
,
Osteoporosis
,
Postoperative Complications
,
Scoliosis
,
Spinal Fusion
,
Spinal Stenosis
,
Spondylolisthesis
,
Incidence
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Symptom Assessment
,
Operative Time
pp.97-99
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088653
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2004年から10年間に胸椎・腰椎・仙椎骨盤を含む脊椎固定術を行った80歳以上の86例(男39例、女47例、平均年齢82歳)を対象に、固定椎間数や併存症、合併症、術後改善率などを調査した。平均術後経過観察期間は58ヵ月であった。手術椎間は2.5椎間、固定椎間は2.3椎間、手術時間は212分、出血量は437mlであった。JOAスコアの平均は術前9.7点、術後16.5点、改善率33%であった。平均併存症数は4.6疾患で、認知症、うつ・神経症、脳血管疾患、不整脈が多かった。術後合併症は39例(45.3%)に認め、せん妄などの精神症状24例(27.9%)、手術創部感染11例(12.8%)、深部静脈血栓症8例(9.3%)、などであり、播種性血管内凝固症候群も1例(1.2%)認めたが、死亡例はなかった。JOAスコア改善率に関連する有意な因子として、固定椎間、手術時間、術後合併症、せん妄が検出された。
©Nankodo Co., Ltd., 2017