発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241365
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高齢者に施行した脊椎インストゥルメンテーション手術20例(男10例・女10例・80~89歳)の成績を報告した。疾患は腰部脊柱管狭窄症(LCS)10例、陳旧性骨粗鬆症性圧迫骨折5例、転移性脊椎腫瘍3例、胸髄症1例、化膿性脊椎炎後の脊椎不安定症1例であった。術前状態は歩行不能が11例あり、全身的併存症は循環器疾患13例、糖尿病2例、慢性肺疾患2例、Parkinson病1例で、整形外科疾患の合併を7例に認めた。術後合併症は他科疾患が不安神経症4例、排尿機能の一時的悪化3例、肺炎、消化器疾患各2例などで、整形外科的には前脊髄動脈症候群による麻痺の悪化、一時的筋力低下、表層感染、大腿骨顆上骨折を各1例認めた。入院期間は14~214日で、合併症発生例は長期入院となったが、全例安定した全身状態で退院した。移動能力は18例が術前よりも改善していた。LCS例のJOAスコアは平均9.9点から16.7点に改善し、悪化例はなく、満足6例、やや満足4例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009