脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 胸腰仙椎変性疾患 変形性腰椎症･腰部脊柱管狭窄症 80歳以上の高齢者腰部脊柱管狭窄例に対する後方除圧術の治療成績

対象は2000～2010年の61例(男30例、女31例、平均年齢83歳)であり、術後経過観察期間は平均1年11ヵ月であった。術式は顕微鏡下後方除圧術59例、単椎間の内視鏡下後方除圧術2例であった。JOAスコアは術前平均10.1点から術後平均18.9点へ有意に改善し、改善率は平均43.1%であった。日本整形外科学会腰痛評価質問票は、疼痛関連障害、歩行機能障害、社会生活障害、心理的障害の項目において術前と比較して術後良好な改善を認めた。Short Form 36は身体機能、身体的日常役割機能、体の痛み、心の健康の項目において有意な改善を認めた。手術合併症は硬膜損傷2例、術後創部感染2例で、再手術は感染による1例と他部位の狭窄の出現による除圧術を施行した2例に行った。