特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 頸椎変性疾患 高齢者の頸椎症性脊髄症に対する内視鏡下椎弓形成術の有用性
上田 康博
1
,
村上 英樹
1福井県立病院 整形外科
キーワード:
C-Reactive Protein
,
MRI
,
術後合併症
,
X線CT
,
鎮痛剤
,
追跡研究
,
内視鏡法
,
後向き研究
,
治療成績
,
三次元イメージング
,
頸椎症性脊髄症
,
椎弓形成術
Keyword:
Analgesics
,
C-Reactive Protein
,
Endoscopy
,
Follow-Up Studies
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Laminoplasty
pp.88-91
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088651
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2014年4月~2016年10月に内視鏡下頸椎椎弓形成術を行い術後6ヵ月以上経過観察した75歳以上の頸椎症性脊髄症10例(CMEL群、平均年齢78.6歳)と、正中縦割による椎弓形成術を行った12例(LP群、平均年齢77.8歳)の治療成績と合併症を調査し比較した。手術椎弓数はCMEL群2.6椎弓、LP群3.9椎弓とLP群で有意に多かった。術中の平均出血量、術後のドレーン出血量はCMEL群が有意に少なく、術後の鎮痛薬使用回数はCMEL群0.5回、LP群2.8回とCMEL群が有意に少なかった。術後歩行開始日はCMEL群3.1日、LP群5.7日とCMEL群が有意に早かった。術後合併症としてCMEL群で尿路感染1例、LP群で尿路感染1例、一過性の上肢根性疼痛1例を認めた。術前と調査時のJOAスコア平均点はCMEL群が8.8点から12.4点に、LP群が8.5点から12.6点にいずれも有意に改善した。内視鏡下椎弓形成術は従来の椎弓形成術と遜色なく、高齢者においても有用な術式であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017