発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076368
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高齢者における頸椎症性脊髄症の特徴および脊柱管拡大術の成績を調査した。対象は脊柱管拡大術を行った75歳以上の頸椎症性脊髄症33例(男性18例、女性15例・平均年齢78.2歳)で、65歳以下の29例(男性22例、女性7例・平均年齢60.8歳)を対照に画像と臨床所見を比較した。1)画像所見では不安定椎間の分布は両群ともC3/4・C4/5の高位頸椎で多く、術前最狭窄部脊髄前後径と術後脊髄後方移動距離とも両群間に有意差はなかった。2)臨床所見では拡大椎弓数と手術時間、術中出血量は両群間に有意差はなく、既往症は高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管障害、消化器疾患の全てで高齢者群で多い傾向であった。3)術後合併症は高齢者群でC5麻痺1例、せん妄の重度5例(15.2%)、軽度4例(12.1%)、対照群で軽度せん妄2例(6.9%)と有意差が認められた。4)JOAスコアは、高齢者群では術前8.2点、術後11.9点と有意に改善(改善率45.1%)したが、対照群の改善率60.6%に比し有意に低かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006