発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002030536
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頸椎症性脊髄症に対して頸椎椎弓形成術を施行した43例(男25例・女18例,平均61.8歳)を対象にX線学的的計測を経年的に行った結果について検討した.術後経過観察期間は5年間で,術式は伊藤・辻法に準じ,C2棘突起は筋肉を付着したまま切離し再縫着し,C2椎弓下部,Th1椎弓上部は削開した.術後臥床期間は1週間で,術後6週間のカラー装着を行った.JOAスコアは術前平均7.6±3.5点から術後は13.4±2.4点に改善した.C2~C7の可動域は術前平均45.7±13.7°から術後1年で27.2±12.8°,3年で25.7±12.3°,5年で25.6±12.8°と減少し,可動域残存率は術後5年で58.9±33.5%に低下していた.椎体辷り,アライメント,軸椎の傾きなどは術前・術後で大きな変化は認められなかった.以上より頸椎椎弓形成術は種々の頸椎部脊髄症に用いることが可能であり,術後の可動域減少,椎体辷り,アライメント,軸椎の傾きについては手術合併症としては大きな問題にならないと考えられた
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