特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
下肢の変性疾患に対する高齢者治療 股関節変性疾患 高齢者における人工股関節全置換術後脱臼
庄司 剛士
1
,
山崎 琢磨
,
安達 伸生
1広島大学 大学院人工関節・生体材料学講座
キーワード:
X線診断
,
股関節脱臼
,
再手術
,
術後合併症
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
治療成績
,
股関節置換術
,
反復性脱臼
,
骨盤傾斜
Keyword:
Hip Dislocation
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Reoperation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.47-51
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088642
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2007年4月~2014年3月に人工股関節全置換術を施行し術後脱臼を認めた75歳以上の10例10股(男3例、女7例、平均年齢80.0歳)を対象に、脱臼要因を後ろ向きに調査した。脱臼回数は5回以上が5例、2回1例、単回脱臼4例で、術後3ヵ月以内に脱臼したのは4例であり、脱臼方向は前方1例、後方9例であった。インプラント設置角度のうちcombined anteversion角が40°以上60°以下の症例は5例であり、カップ設置角がLewinnekらの提唱するsafe zoneをはずれたのは4例であった。3例では30°以上の強い骨盤後傾を認めた。再置換法は2例ではstem offsetの延長、大径骨頭、elevated linerに変更し、同時に余剰骨の骨切除を行い、1例ではカップ周囲のbony spur切除後stem offsetの延長を行ったが、その他の頻回脱臼症例は経過観察とした。再手術を行った1例で術後単回の脱臼を生じ、再手術を行っていない頻回脱臼例の1例で脱臼を認めた。
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