特集 最近の人工股関節合併症とその対策
Metal-on-metal THA術後に大腿骨ステムのネックtrunnionの金属腐食から生じるARMDの現状と対策
久木田 隆
1
,
深澤 雅則
,
和田 元
,
名越 智
1くきた整形外科クリニック
キーワード:
股関節脱臼
,
再手術
,
大腿骨頭壊死
,
変形性股関節症
,
人工器官機能不全
,
治療成績
,
人工股関節
,
股関節置換術
,
メタルオンメタル人工関節
,
反復性脱臼
,
偽腫瘍
,
メタローシス
Keyword:
Femur Head Necrosis
,
Hip Dislocation
,
Hip Prosthesis
,
Reoperation
,
Prosthesis Failure
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Metal-on-Metal Joint Prostheses
pp.25-33
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016180765
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著者らはAML plusステムとPinnacle Aカップの組み合わせによるMetal-on-metal(MoM)人工股関節(THA)を64関節で行い、うち19関節で再置換術が施行されていた。1)再置換術ではTHA術後に発生する不具合(ARMD)の程度に関わらず、全例でネックtrunnionに金属腐食所見がみられた。原因はAML plusステムのtrunnionが少し細身のテーパーでthread構造を有することから骨頭ネックjunctionの固定性の破綻を生じ得ると考えられた。したがって、術後の臨床症状からtrunnionosisの発生を考慮する必要があり、重症化する前に早期にrevisionを考慮すべきと考えられた。2)著者らの経験ではセラミック骨頭を用いて股関節の安定性が得られれば通常のpolyethylene cupを用い、股関節の不安定性が危惧されればconstrained cupを用いることが、術後も良好な成績が得られることと示唆された。
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