特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
下肢の変性疾患に対する高齢者治療 股関節変性疾患 80歳以上の高齢者に対する人工股関節全置換術
松浦 正典
1
,
松井 嘉男
,
日高 典昭
,
黒田 貴顯
1大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
高血圧
,
死亡
,
術後合併症
,
大腿骨頸部骨折
,
大腿骨頭壊死
,
変形性股関節症
,
歩行
,
輸血
,
共存疾患
,
治療成績
,
年齢因子
,
80歳以上高齢者
,
股関節置換術
,
後遺症
,
股関節症-急性破壊性
Keyword:
Age Factors
,
Aged, 80 and over
,
Blood Transfusion
,
Death
,
Femoral Neck Fractures
,
Femur Head Necrosis
,
Gait
,
Hypertension
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Osteoarthritis, Hip
,
Comorbidity
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.43-46
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088641
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2009年4月~2015年9月に初回人工股関節全置換術(THA)を施行し1年以上経過観察した80歳以上の50例56股(男7例、女43例、平均年齢83歳)を対象に、臨床成績と術後合併症を調査した。48例(96%)は既往歴があり特に高血圧は44例(88%)に認めた。JOAスコアは術前31.2点が最終調査時83.4点に有意に改善した。重篤な合併症として1例が周術期に死亡し、術後脱臼を1股、晩期感染を1股に認めた。X線学的評価では、術前は28股(50%)で骨盤後傾を認め、大腿骨髄腔形状も10股(17.9%)がstovepipe状の広い髄腔であった。32股(57.1%)で術前自己血貯血を行ったが、22股(39.3%)で同種血輸血率を行った。術後合併症は内科的合併症、せん妄、発熱が多い傾向であり、退院時は26股がリハビリテーション病院へ転院した。最終調査時は45例中44例が自宅で生活し、44例(97.8%)が歩行能力を有していた。
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