臨床室
広範な骨欠損を伴うメタルカップ破損人工股関節に対する寛骨臼側再置換の1例
寺元 秀文
1
,
内田 圭治
,
金子 真也
,
越宗 幸一郎
,
佐々木 なおみ
1呉共済病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
骨移植
,
再手術
,
術後合併症
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
人工器官機能不全
,
人工股関節
,
股関節置換術
,
Beta-Tricalcium Phosphate
,
海綿骨
,
骨欠損
,
メタローシス
Keyword:
Cancellous Bone
,
Acetabulum
,
Hip Prosthesis
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Postoperative Complications
,
Reoperation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Osteoarthritis, Hip
,
Bone Transplantation
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Beta-tricalcium Phosphate
pp.1165-1168
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009310
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60歳代女。左股関節痛を主訴とした。15年前に左変形性股関節症に対するセメントレス人工股関節全置換術(THA)を行ったが、術後1年以降経過観察できておらず、救急来院時のX線像ではメタルカップは破損しポリエチレンライナーが逸脱して、骨頭が臼蓋近位へ陥入していた。CTでは臼蓋近位部にthe American Academy of Orthopaedic Surgeous(AAOS)骨欠損分類type IIIの骨欠損を認めたが、ステム遠位側の弛みはみられなかった。術中、骨吸収部分には金属症による変性金属粉の沈着とそれらを貪食した組織球の浸潤を認め、黒色の組織を可及的に掻爬したのち、腸骨からの自家骨と人工骨、KT plateとセメントカップで再建した。術後10ヵ月でX線像上弛みやインプラントの移動などは生じておらず、短期ではあるが良好な成績であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014