発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187302
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術前テンプレーティングに関して検討する目的で、人工股関節全置換術を予定している51例62関節を成人正常股関節11例11関節(A群)、股関節変形40例51関節(B群)の2群に分け、大腿骨髄腔形態を股関節X線像とCTを用いて比較した。評価にはYeungらのcanal flare index(CFI)を用いた。その結果、両群ともに、股関節X線像で測定した大腿骨近位髄腔幅は、股関節CTで測定した大腿骨近位髄腔幅より小さかった。また、股関節X線像で測定した大腿骨遠位髄腔幅は、股関節CTで測定した大腿骨遠位髄腔幅より大きかった。股関節X線像のCFIは股関節CTでのCFIより小さかったが、A群では有意差はなく、B群では有意差を認めた。A群と比較してB群の方が股関節X線像と股関節CT像での髄腔評価の差が大きかったが、両群とも前捻角との相関関係は認めなかった。以上より、股関節X線像のみでは正確な術前テンプレーティングは困難であり、特に変形の高度な症例ではその傾向が強いことが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010