臨床室
人工股関節全置換術後に異所性骨化により股関節亜脱臼を生じた1例
錦野 匠一
1
,
小山 博史
,
清水 朋彦
,
星野 裕信
,
松山 幸弘
1浜松医科大学 整形外科
キーワード:
Etidronic Acid
,
X線診断
,
化骨-異所性
,
股関節脱臼
,
術後合併症
,
X線CT
,
変形性股関節症
,
股関節置換術
,
Meloxicam
,
亜脱臼
Keyword:
Hip Dislocation
,
Ossification, Heterotopic
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Etidronic Acid
,
Osteoarthritis, Hip
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Meloxicam
pp.430-433
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016298088
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64歳男性。他院にて右変形性股関節症に対する人工股関節全置換術(THA)を受けるも、術後3年目に右股関節の違和感が出現、放置していたが、症状が再燃し前医を受診、股関節周囲の異所性骨化を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。精査の結果、THA後に生じた異所性骨化による股関節亜脱臼と診断され、手術が行われた。手術所見では股関節外旋位で異所性骨化病変によるインピンジメントにより前方亜脱臼が再現されることが確認された。そこで、股関節後方の異所性骨化病変を切除したところ、骨性インピンジメントは消失し、亜脱臼は改善した。更に術後は股関節の違和感が消失し、股関節可動域は屈曲が術前の90°から術後100°へ、外旋が術前の20°から術後30°へ改善した。尚、異所性骨化病変の再発予防として非ステロイド性抗炎症薬を6週間、エチドロン酸二ナトリウムを12週間内服した。目下、術後3ヵ月時点で股関節亜脱臼や異所性骨化病変の再発はみられていない。
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