人工関節置換術-最新の知見
人工関節置換術の周術期管理、リハビリテーション その他(合併症予防など) 自科麻酔による人工膝関節全置換術の安全性
尾島 朋宏
1
,
勝尾 信一
,
砂山 千明
,
水野 勝則
,
山門 浩太郎
,
林 正岳
1福井総合病院 整形外科
キーワード:
関節疾患
,
気道疾患
,
膝関節
,
術中合併症
,
心臓血管疾患
,
整形外科
,
麻酔
,
失血-外科
,
後向き研究
,
病院麻酔部門
,
膝関節置換術
,
患者の安全
,
手術時間
Keyword:
Anesthesia
,
Anesthesia Department, Hospital
,
Cardiovascular Diseases
,
Intraoperative Complications
,
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Respiratory Tract Diseases
,
Retrospective Studies
,
Blood Loss, Surgical
,
Orthopedic Procedures
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Operative Time
,
Patient Safety
pp.276-278
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270849
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自科麻酔による人工膝関節全置換術(TKA)の安全性について検討した。初回TKAを施行した295例で、術中麻酔の主たる管理が麻酔科であった50例と整形外科であった245例を対象とした。9割以上が全身麻酔で、そのうちの8割以上で腰椎麻酔、硬膜外麻酔を併用した。腰椎麻酔、硬膜外麻酔が併用できない症例では神経ブロックを用いたが、最近はカクテル療法などの局所麻酔を併用した。また、低血圧麻酔を併用した。麻酔時間は麻酔科群でやや長い傾向があった。術中出血量も200ml程度で差を認めなかった。処置を要した術中全身合併症としては、自科麻酔で換気障害を18例に認めた。転科が必要であった術後全身合併症は、麻酔科群で肺炎、胆嚢炎が各1例あった。また、自科麻酔で一過性の心不全の増悪が2例、術後1週経過時の敗血症、肺炎、摂食不良が各1例であった。周術期死亡や重篤な後遺障害を残したものはなかった。
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