人工関節置換術-最新の知見
手術手技 特徴あるアプローチ 関節リウマチ高度変形膝に対する人工膝関節全置換術前の予防的腓骨神経剥離
尾島 朋宏
1
,
勝尾 信一
,
水野 勝則
,
山門 浩太郎
,
林 正岳
,
吉村 光生
1福井総合病院 整形外科
キーワード:
関節リウマチ
,
膝関節
,
術後合併症
,
腓骨神経
,
麻痺
,
後向き研究
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
神経剥離術
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Knee Joint
,
Peroneal Nerve
,
Paralysis
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
pp.74-76
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270802
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人工膝関節全置換術(TKA)後の腓骨神経麻痺のリスクが高いとされる関節リウマチ(RA)の高度変形膝25膝を対象として、TKA術前の予防的腓骨神経剥離の有用性を後ろ向きに検討した。術前腓骨神経剥離を行った神経剥離あり群15膝と、行わなかった神経剥離なし群10膝について、術前の外反変形、屈曲拘縮の程度、手術時間、総駆血時間、硬膜外麻酔の有無、術後の腓骨神経麻痺の有無を調査した結果、手術時間と総駆血時間は神経剥離あり群でやや長かったが、術前の外反、屈曲拘縮の程度や硬膜外麻酔の使用頻度に差はなかった。術後腓骨神経麻痺は両群の各1膝に生じ、神経剥離あり群の1膝は完全に回復したが、神経剥離なし群の1例は麻痺が残存した。RA膝に対するTKAの中でも腓骨神経麻痺のリスクが高い症例では予防的神経剥離が有用と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014