発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002033563
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60歳男.1990年6月に右膝の打撲で受傷し,右膝内側半月板損傷の診断で鏡視下右膝内側半月板部分切除術を受けたが,疼痛,水腫が持続する為,1991年6月と1992年9月に滑膜切除術が施行された.1993年2月,炎症反応亢進とX線像上関節裂隙の狭小化が進行し,同年10月には瘻孔が形成され,2回の閉鎖術でも閉鎖せず,1994年2月には結核菌も検出されたため同年4月に紹介入院となった.入院時検査所見から活動性膝関節結核の診断で,直ちに抗結核薬の投与を開始し,2ヵ月後に前方,後方から十分な滑膜切除,デブリドマンを行い,スペーサーとして硫酸ストレプトマイシン入りセメントビーズを挿入した.切除滑膜は病理組織学的に結核の特徴的所見を示していた.術後10週で瘻孔は閉鎖し,1998年8月に二期的に人工膝関節全置換術を施行した.術後5年の現在,膝関節可動域は伸展0°から屈曲100度,JOAスコア85点で,良好な膝関節機能が獲得されており,結核の再燃や弛みは認められていない
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