人工関節置換術-最新の知見
人工関節置換術の周術期管理、リハビリテーション 感染予防 ポビドンヨード入り生理食塩水による人工膝関節全置換術中洗浄
尾島 朋宏
1
,
勝尾 信一
,
砂山 千明
,
水野 勝則
,
林 正岳
,
吉村 光生
1福井総合病院 整形外科
キーワード:
Povidone-Iodine
,
関節疾患
,
再手術
,
膝関節
,
治療的洗浄
,
後向き研究
,
治療成績
,
補綴関連感染症
,
膝関節置換術
,
生理食塩水
,
手術時間
Keyword:
Therapeutic Irrigation
,
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Povidone-Iodine
,
Retrospective Studies
,
Reoperation
,
Treatment Outcome
,
Prosthesis-Related Infections
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Operative Time
pp.270-271
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270847
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- 文献概要
ポビドンヨード入り生理食塩水による人工膝関節全置換術(TKA)中の洗浄について検討した。初回TKAを施行した228膝を対象とした。前半50膝(S群)は生食のみ、後半178膝(P群)はポビドンヨード入り生食で術中洗浄を行った。手術時間はS群がやや長かったが、有意差は認めなかった。滲出液が消失するまでの日数も、両群約4日で差はなかった。S群で表層感染、深部感染を各1膝に認めた。S群の1膝に追加処置の必要な皮膚壊死を生じた。創のそう痒感を各群3膝、10膝に認めたが、ポビドンヨードによると思われる皮膚炎は認めなかった。S群の1膝に術後3日目に表層感染を生じ、洗浄、抗生物質投与により、感染は鎮静化した。S群の別の1膝に術後約1年で真菌感染を認めた。二期的再置換の1年後に感染が再燃したため、ヨードコーティングインプラントで再々置換を行った。術後5年で再発なく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014