論究
両側一期的人工膝関節全置換術におけるトラネキサム酸の輸血率低減への効果
村田 美奈子[大岩]
1
,
塚田 幸行
,
涌井 元博
1猫山宮尾病院 薬剤科
キーワード:
Tranexamic Acid
,
関節疾患
,
膝関節
,
輸血
,
自己血輸血
,
失血-外科
,
出血-術後
,
後向き研究
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
生理食塩水
,
静脈内注入
,
Fibrin Fragment D
Keyword:
Blood Transfusion
,
Blood Transfusion, Autologous
,
Infusions, Intravenous
,
Joint Diseases
,
Knee Joint
,
Retrospective Studies
,
Tranexamic Acid
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Postoperative Hemorrhage
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Fibrin Fragment D
pp.605-608
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016332494
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両側一期的人工膝関節全置換術(TKA)におけるトラネキサム酸(TA)の投与が出血量と輸血量に与える影響について検討した。26症例(女性21例、男性4例、平均年齢74.5±5.2歳)にトラネキサム酸(TA)を投与(投与群、手術開始直前および6時間後にTA 1000mg点滴静注)し、TAを投与せず両側一期的TKAを施行した11症例(女性10例、男性1例、平均年齢70.2±4.1歳)を対照群に比較した。その結果、1)手術時間は投与群が179.2±11.4分、対照群が163.1±8.1分と有意差が認められた。2)術中出血量は投与群が360.6±160.5ml、対照群が809.0±259.7mlで、総出血量は投与群が1098.4±324.3ml、対照群が1794.4±510.1mlと、いずれも投与群が有意に低値であった。また、輸血率は投与群が3.8%、対照群が45.5%と投与群で有意に低値であった。3)術後4日目のD-dimerは投与群が13.9±9.1μg/ml、対照群が18.5±11.6μg/mlであり、両群間に有意差はなかった。尚、いずれも症候性肺塞栓症や深部感染症の合併は認められなかった。
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